小学生のときに犬を飼っていました。犬種はマルチーズとポメラニアンのミックスのオスで超小型犬の部類に入るほど小さい子でした。寝るのが好きな子でしょっちゅう寝ていたように思います。顔のパーツがとても整っていてポメラニアン特有の毛のフサフサ感が特徴的で、とにかく可愛い子でした。まだ小学生でしたから音楽の授業でリコーダーで練習している曲を演奏するとそれに合わせて愛犬がいつも歌ってくれてそれが大好きでした。 家族の中で私が1番愛犬を可愛がっていたので老衰で亡くなったときは本当に悲しくて、会社を休んでまで火葬に付き合いました。骨壺を持ち帰って庭に埋め、母が買ってきてくれたレンガでお墓を作りお線香をあげる毎日でした。ペットレスで2年間苦しみ、少しのことで思い出しては泣いていたのです。でも、このまま悲しんでいたら愛犬も安心出来ないと思うようになり自分の中で何かが変わっていきました。実際には何をすればいいのかわからずにいたけれど、ひとつの答えに行き着いたのです。その当時、自分の生きてきた人生の中で愛犬と過ごした時間の方が長くて私のそばにはずっと愛犬がいました。逆算すると私が32歳になると愛犬がいない時間の方が長くなり、その事実に耐えられる自信がなかったのである目標を立てたのです。それが「32歳までに自分の好きなこと得意なことを仕事にする」というものでした。小さい頃から動物が好きで将来は動物関係の仕事に就きたいと思っていたけれどそれは夢で終わり、そのあとも人並みに夢は持ったけれどどれも現実には至りませんでした。 そんなこともあり、この目標を立てることにしたのです。何かを達成しなければ愛犬に申し訳が立たない、そう思いました。 目標を立ててから数年が経ち、いまだにその目標を叶えられるほどに興味が引かれるものもなく毎日をただなんとなく過ごす日々が続いていました。そんな中で暇潰しに始めたライティングのお仕事にどんどん興味を持ち始めたのです。本職は製造業をしていて派遣ですがしっかりと働いているし、ライティングだけで生活していこうとは一切思っていなくてつまらない日々の逃げ道として始めたのがライティングでした。 お仕事をする頻度もかなり少なく単価が低すぎれば手を出そうともしませんでした。 ライティングを始めて半年が経って気持ちに余裕が出来てきたので仕事帰りや休日の暇なときにとりあえずなんでもいいからとライティングのお仕事で文章を書いているうちにそれが面白くなってきて気付けば毎日やっていました。そしていつからか「本格的にライティングのお仕事がしたい」と思うようになったのです。とは言えライティングを本職にするとはどういうことなのか自分ではわからず、でもスキルを身に付けておいて損は無いのであえて文字数の多いお仕事をしたりして経験を積んでいました。そのうちに独学ですが文章構成もわかってきて、やり始めた頃よりはうまく文章が書けるようになったのではないかと思います。もともと文章を考えることが好きでしたので、ひとつの記事に30分くらい時間がかかっても飽きることも嫌になることもなく夢中になって文章を書くことができました。 ライターになりたい気持ちは膨らむ一方で、ちゃんと調べようと思ってライターのなり方を調べました。すると驚きの事実がわかったのです。文章を書いてお金を稼いでいるならそれはもうすでにライターと呼んでいいというのです。ライターだけで生活ができなければライターとは言えないと思っていたので、この事実にはかなりの衝撃を受けました。なので稼ぎは少ないけれど、私はもうライターになっていました。これで当初の目的の「32歳までに自分の好きなこと得意なことを仕事にする」という目標は達成したことになります。あとはライターとしてどこを目指すのかをちゃんと決めて、今後はその新たな目標に向かって努力し32歳になったときに胸を張って「目標を達成できた」と言えるようにこれからも頑張っていきます。